弾道計算(BB弾)の数値計算結果を中心にまとめます。
目次
- 目的
- 結論
- 設定した条件
- 実測データとの比較
- BB弾の様々な軌道
- 「良い軌道」の詳細なデータ
- 動画と静止画
- 「良い軌道」へ調節するには
- 温度の違いについて
- 100m飛ぶ?
- 僕が実際に試した時の報告
- お礼
- アイディア募集
- 参考文献
弾道計算に関するその他ページ
弾道計算(BB弾)の理論
BB弾の回転量について(実験との比較)
弾道計算(BB弾)の結果←今ここ
弾道計算の結果2, 比較と詳細データ
弾道計算(BB弾)のコード(fortran90)
弾道計算のコード(Excel)
バレル内部でのBB弾の方程式
水中下でのBB弾の弾道計算
目的
屋外で行われるサバイバルゲームで優位に立つために、BB弾は重い球が良いのか、軽い球が良いのかを数値計算によって,良い軌道を描く弾道の軌道のパラメータを探索して、現実で調節するための方法を模索します。
結論
サバゲーを行うにあたり、風があったり、遠くを狙う必要のある屋外では
BB弾は重い方が良い
という結論が得られました。
BB弾は重ければ重いほどまっすぐ、遠くまで飛ぶ。また、当たった時に判定がされやすい事になります。
屋内などの風が無く、接近戦(30m以内)が主になる場合ではほぼ差は見られないため、お値段的に軽い球を使うのがいいと思います。
重さの違いにありがちな話は本当?
「0.20gのほうが着弾が早い」
→ほとんど嘘
初速は確かに0.20gのほうが早いですが、最大でも15mの地点で0.01秒程度の違いしかありません。30m以上では0.25gのほうが早く着弾します。
「0.25gはまっすぐ飛ぶ」
→本当
→風の影響を受けにくいため、横にぶれにくいだけでなく、縦にもぶれが少くなります。
「0.20gのほうが遠くに飛ぶ」
→嘘
→0.25gのほうが遠くまで飛びます。
「0.25gのほうがヒットを取りやすい」
→本当
→弾の持つエネルギーは0.25gの方がどの地点でも大きくなるため、当たった時に判定されやすいことになります。
まとめると、
0.20gが優れているのは値段だけ
ということになります。
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以下、詳細なデータを載せます。
設定した条件
ニュートン力学の範囲内で計算します。
考慮した力と条件は、
- 重力
- 空気の慣性抵抗力、粘性抵抗力
- 回転による揚力(Magnus力)
- BB弾の回転の減衰
です。コリオリ力は重力に比べ3桁程度小さい力なので考慮に入れていません。
空気の粘性率は、空気の密度は気温20度、乾燥した空気中のものを使用しています。
僕が調べた範囲で他のページではBB弾の回転の減衰が考慮されていませんでした。本稿ではそれを考慮したことが一つの特徴です。
運動方程式の導出や、理論に関してはこちらの弾道計算(BB弾)の理論をご覧ください。
実測データとの比較
計算が実測のデータと合っているのかをまず初めに検証します。
東京マルイ G36CにおけるノーマルホップとG-HOPの弾道特性の実測データと、本稿の数値計算結果との比較を行います。
青線、実測結果は黒の点と線です。
※実測データにおいて、BB弾の回転数は測定されていなかったため(難しいため)、最高到達高さが2.4mになるように数値計算の回転数を決めました。
全体的に非常に良い一致を見せていることが分かるかと思います。50m,60m地点においては10~20cm程度の差しかないのではないでしょうか。この実測データの再現、という点においては十分に信頼できる数値計算結果になっていると思います。
ただし、打ち出し直後の浮き上がり具合に若干の差があります。
このずれの原因として、実測データの高低さの加味が十分ではないか、射出角度が若干違う、ということが考えられます。
実測時ではなく、改めて高低差を加味した、と実測データのページにあるので、場所が完全に同じではないかもしれないと考えられます。
風で揺らいでいる、ということは無いでしょう。もしも風で揺らいでいるとしたら、遠くで差が出るはずです。射出直後でこれだけ揺らいで遠くで揺らがないというのは納得ができません。
本稿の数値計算は実測データと十分に一致している、と確認したうえで、いろいろとパラメータを変えて計算してみました。
BB弾の様々な軌道
まず、一番気になるBB弾の軌道を見ます。
エネルギーを0.90Jで固定して、パラメータを様々に変え0.20gと0.25gのBB弾で比較してみます。
その結果がこちらです。赤文字が0.20g, 青文字が0.25gであることを意味しています。
上記グラフは、角度0, 1.2, 2.4°、回転数240, 280, 320回転/秒の組み合わせによる軌道を計算したものです。
BB弾が描く良い軌道とは
- まっすぐ飛ぶ
- 遠くまで飛ぶ
軌道であることだ、と考えます。つまり、1つの「最適な軌道」として「上下振れ幅が最小になる軌道」だと言えるでしょう。
上の画像の例でいうならば太線で示した
0.20g → BB弾が280回転/秒で回転し、下向きに1.2°方向に射出されたとき
0.25g → BB弾が320回転/sで回転し、下向きに1.2°方向に射出されたとき
がそれに近い軌道でしょう。
0.25gでこの「良い軌道」に合わせることができたなら、50m先の敵までは、喉~胸あたりに照準を合わせることで確実にヒットが得られるでしょう。
もう少し、この「良い軌道」について調べてみます。
「良い軌道」の詳細なデータ
ここでは、重さの違う0.20gと0.25gとを比較するために、ゼロインを50[m]に合わせ、上下方向の振れ幅が最小になる時で比較します。
ゼロインを50mに合わせた時、0.20gでは60cmの振れ幅、0.25gでは40cm程度の振れ幅になります。
0.20gよりも0.25gの方が小さい振れ幅です。予想通りといえば予想通りの結果ですね。
次に着弾時刻を見てみましょう。30m地点までは0.20gの方が若干早く着弾し、それ以降は0.25gのほうが早く着弾します。50mの遠距離で比較しますと、0.20gと0.25gとの着弾時刻の差は約0.13秒。まばたき程度の差があります。
ちなみに15mでの着弾の時間差は0.01秒です。とても微々たるもので、この差は認識できないと思われます。よって着弾時刻も上下の振れ幅も少ない、遠距離にも対応できる0.25gを使うのがいいでしょう。
また、エネルギーは発射した瞬間から着弾するまで、どこでも0.25gの方が高いため、遠くでも判定がされやすいことになります。
遠距離を狙いたい場合は着弾速度、上下振れ幅に影響するだけでなく、判定もされやすい重い球を使いましょう。
2016/03/13
計算コードを変更し、動画化しました。点の間隔は0.04秒で、gifアニメの速度の時間間隔と実際の時間間隔は同じにしてあります(すなわち、gifアニメの1秒と現実の1秒が同じ)。
こちらは静止画。
ゼロイン距離と上下方向振れ幅との関係
さて、上下方向の振れ幅を最小限に抑えながらゼロインを適当な位置に合わせたい場合について考えます。
遠くにゼロインを合わせたい時、飛ばせばと飛ばすほどホップを強くかけなければなりません。その結果、上にも下にもブレることになります。
この関係性がどうなっているかを調べますと、以下のようになります。
エネルギー0.9Jの場合で、上下の振れ幅を最小に抑えるパラメータで考えますと、段々と上下方向の振れ幅が大きくなっていることがわかります。
これは空気抵抗によって弾速が減少するためにその分、ホップによって時間を稼がなければならないことに由来します。
例えば、
0.20gのBB弾で50mにゼロインを合わせた時は上下振れ幅が60cm(射出位置から30cm下がり、ホップによって射出位置から30cm上昇し、ゼロインを迎える)ですし、
0.25gのBB弾で50mにゼロインを合わせた時は上下振れ幅が40cm(射出位置から20cm下がり、ホップによって射出位置から20cm上昇し、ゼロインを迎える)です。
この重さの違いによる上下方向の振れ幅は顕著に表れます。
60mなんかにゼロインを合わせようとすると、0.20gでは上下方向に1.6mずれることになり、0.25gでは上下方向に1mずれることになります。
もしかしたら、0.20gで60mに合わせた場合、フィールドで立って撃たない限り、先に地面についてしまってダメになるでしょう。
これらから、遠距離ではますます重いBB弾を使ったほうが良いという結果が得られるわけです。
※ただし、中距離に当てるつもりがない場合はホップをある程度かけて上向きに射出したほうがいいでしょう。
「良い軌道」へ調節するには
さて、サバゲーに行き、シューティングレンジで調節をすることを考えます。
BB弾の回転数など知っているわけがありません。また、角度1.2°などそんなこと分かるわけがありません。
さらに、BB弾がどこまで飛んだかは大抵の場合は10m単位でしか分かるはずがないのです。
せめてジュール数(弾速)は知っているとします。この状況で良い軌道へ調節することを考えましょう。
0.25g, 0.9J(初速84.85m/s)の場合
ここでは、0.25g, 0.9J(初速84.85[m/s])の場合を考えます。
この場合の手順は、
手順1, 射出する銃口の高さと50m地点にある同じ高さにある的に照準を合わせる。
手順2, ホップ無しで、50m先の的に照準に合わせたままBB弾が地面に落ちた時の位置が、おおよそ
\(10\times(\mbox{射出高さ[m]}) +10[\mathrm{m}]\)
になるように調節する。
手順3, その照準に合わせたまま、徐々にホップを掛けていき、50[m]の的に当たるまでホップを掛けて調節する。
です。
詳しく説明すると、
手順1では角度を決めるための基準点を探しています。
手順2では角度をホップ無しの場合で、到達距離を見ることによって決定します。何点か計算したら、射出する高さと良い角度の時の落下地点は、\(10\times(\mbox{射出高さ[m]}) +10[\mathrm{m}]\)という関係でした。
なので、地面からの銃口の位置が分かれば、良い角度での射出は、到達距離を見れば分かるのです。
※空気抵抗のない場合、\((\mbox{落下距離})\propto \sqrt{射出高さ}\)になります。ただし、短い区間であれば線形補間で良いでしょう。ちゃんと線形補間すると、\(10.40\times(\mbox{射出高さ}[\mathrm{m}])+9.87[\mathrm{m}]\)となるのですが、実用上は簡単な\(10\times(\mbox{射出高さ[m]}) +10[\mathrm{m}]\)で十分でしょう。
手順3では、その照準のまま、だんだんホップを掛けていき、50mに合わせればいいのです。
0.20g, 0.533J(初速73m/s)の場合
もう一つ具体例、0.20g, 73m/sの場合を考えます。
これは、僕が持っている電動のmp7a1のなにもカスタムしていない時の値です。
50mに合わせると上に40cm、下に40cmも上下するので、無理に狙わず、40mで合わせています。
(※上のグラフとはエネルギーが異なるため、”ゼロイン距離と上下方向振れ幅との関係”で紹介したグラフとは上下振れ幅が異なっています。)
この時のパラメータは、エネルギー0.533J, 下向きに角度1.81度、回転数42回転/sです。
mp7a1はこちら。
2丁持っている場合
2丁銃を持っている場合、精密射撃用と遠距離用と分けることができます。
30m内では上下方向のブレが6cm程度になるので、近接用と割り切りってしまい、
遠距離では上のパラメータで調節しておけば、どんな距離でも気持ち良く狙えます。
例えば、基本的に上のパラメータで調節した銃を使っておき、相手が隠れた時など、壁の小さい隙間を狙って近距離用で精密射撃を行う、なんてことができるかと思います。
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温度の違いについて
夏場と冬場ではどのくらい弾道が変わるのでしょうか?
0.25g, 0.9Jで、温度10℃、20℃、30℃で撃った時の軌道の違いを考えます。
青が10℃、黒が20℃、赤が30℃です。
基準は20℃です。20℃でゼロイン50mの時の最小の振れ幅に合わせた時に他の温度ではどうなるかを考えます。
結論として、10℃変わるごとに約1m飛距離が変わります。
なので夏場の方が冬場よりも2m程度よく飛ぶことになります。
100m飛ぶ?
弾道計算本の公開から1年経過しました。
発射に至るまでの計算結果に引き続き、少しだけ中身を公開します。
ここで公開するのはBB弾は100m飛ぶのか?という点です。
結論は、
0.90Jで0.30gまでのBB弾では100m飛ぶことは無い
です。
どんなに回転を掛けても飛びません。
下のグラフは、0.90Jで、高さ1.0mから射出した時の着弾点のグラフで、
横軸:回転数、縦軸:射出角度
で表したものです。
枠内の数字は地面に到達するまでの飛距離を等高線で表しています。
現実にエアガンを撃った時に掛けられる回転数は、大きく見積もっても各画像左下の白い点線内です。
ちなみに、最大飛距離を出す射出角度で回転を掛けた場合の弾道は全く現実的ではなく、0.20g(上の画像左上)では、
の軌道を描きます。(r/s は 回転/秒を表します。)
僕が実際に試した時の感想
2015年12月、内部をカスタムしていないmp7a1でopsに行き、実際に撃ってきて理論通りの軌道になるだろうか、と試してきました。
レーザーサイト、その他もろもろは持っていないので考察ではなく、感想としてみてください。
僕個人の感想をまとめると、
- 0.25gと0.20gの差は明らかに感じられる。特に集弾性が素晴らしい。
- 最小の振れ幅になる軌道は確かにその通りになるが、少なくとも起伏の激しいフィールドでは使いにくい。
でした。
0.20gと0.25gの差は明らかだと感じました。軌道に対しては体感では少しだけ分かる程度でしたが、集弾性がとにかくいいのです。着弾点でばらけることがほぼ無いのです。実際にどの程度影響していたか分かりませんが、0.20gから0.25gに変えた時、キル数が上がりました。
とても気持ちよく戦えるので、初心者の方を誘ったりする際は是非0.25gを使わせて、サバゲーマーの仲間入りをさせてください。
一度下がってから上がる、これは理論上では一番良い軌道であることは確かなのですが、起伏の激しいフィールドでは、この”一度下がる”が非常に厄介です。一度下がるため、そこに障害物(例えば斜面等越しに当てるとき)があったら当たらないのです。少し上向きに撃とうものなら強ホップのため、敵の頭上を通り越します。
結果、敵から反撃を受け、こちらからは当てられない状況が生まれました。
起伏の激しいフィールドでは、30~35m程度まで数cmの振れ幅でまっすぐに進む軌道が一番良いと思います。
それよりも遠い場合は山なりに何発か撃てばいいので、非常に適していると感じました。
今度は平坦なフィールドで試してみたいと思います。
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お礼
@hthsi アイディア提供。実際にサバゲーをやっている上で気になること、○○の違いが知りたい!といったアイディアを弾道計算を行う初期の頃からいっぱいいただきました。重さの違いにありがちな話はほんと?の部分があるといいよね、等の分かりやすい説明は@hthsiの提案です。ありがとうございます!
また、サバゲーるにて告知をしていただきました。
0.25g弾の優位性について
募集
2015/07/06
現在も計算を行い、まとめている最中です。気になること、面白いアイディア、計算に関する質問等がありましたらコメントでもtwitter(@sig_colon)でも、メールでも構いませんのでお知らせください。
計算するまでもない質問の場合はコメントで返信、特に面白そうな場合は、綺麗にまとめて本稿に追加いたします。
2016/02/07
Tech Report ハイスピードカメラによるエアソフトガンの考察
より、ガスガンと電動ガンの銃口付近での空気の流れが見て取れます。
非常に素晴らしく、実際の状況なので信頼できます。15000fpsの高速度カメラだそうです。
ひとつ、気になるのは報告されているBB弾の回転数が私の導き出した値と2倍近く違うことです。
回転数が違うことによって、数値計算結果の回転数以外に影響はありません。ただのホップの強さの目安と見ているので、もしも間違いがあったとしてもホップの強さと回転数との換算が違うだけです。結果には影響しません。
管理人様にお尋ねしたところ、回転数は管理人様自身が導き出したものではなく、考察程度としてみるのがよい、と返答いただきました。残念ながら確証が取れないので回転数の議論はどなたかやっていただけるまで待つことにします。
動画があり、非常に説得力のあるサイトなので、是非ともご覧いただくことをお勧めします。
参考文献
東京マルイ G36CにおけるノーマルホップとG-HOPの弾道特性
2016/03/22 追)
ガンジニア様のハイスピードカメラによる映像
ホップアップの回転数測定 TM VSR-10 G-SPEC https://t.co/2sVQTTWpM7 @YouTubeさんから
— 石岡@たんそ万歳 (@_Gungineer_) 2016年3月21日
より、本サイト内で表記している回転数にミスがある疑いが濃厚になってきました。
サイト内に「○○回転している」や「○○回転/s」と言う表記があるのはたぶん嘘です。
これから検証していきますのでお待ちください。
2016/07/09追)この問題は解決しました。詳細はBB弾の回転量について(実験との比較)をご覧ください。
コメント返信用、画像
2015/07/27
いつもかなり参考にさせてもらってます!
角度の取り方ですが、レーザーサイトとドットサイトやスコープを装備し、2~3mくらいの近距離で紙ターゲットを撃ってレーザーサイトと着弾点の高さを揃え、10~15mくらいの距離を取って距離*tanθで高さが計算できるので、ドットやスコープの中心とレーザーサイトの中心をその高さにするのが手軽かと。
15mと仮定したらレーザーの光点とドットの光点の高さの差が31.4cmほどあれば1.2度くらい取れている感じに、1.55度だと40cmくらいですかね。
10mで1.55度なら27cmなので、10mのスペースとA4用紙一枚あれば手軽に角度が取れます。
ここまで家で下準備し、あとはスコープやダットサイトを弄らず、試射スペースで30mや50mで的に当たるようにホップを合わせていけばイケると思います。
あとエクセルシートがあると各自の手持ちの試射スペースでの調整が捗ると思うのです。。。
ジュール(もしくは初速)、弾の重さ、スコープの角度(とマウント高さ)、弾の回転数。
ここらへんの数値を入れると弾の弾道をグラフ化したり、5m毎程度での着弾上下が詳細に判明するモノがあると凄い便利じゃないかなと。
>げんぐさん
コメントありがとうございます!
レーザーサイトを使うのは盲点でした。僕自身レーザーサイトを持っていないので思いつきませんでした。僕の調整方法より、げんぐさんの方法はより確実な角度が得られます。
数日後、げんぐさんの提案を記事に反映したいと思います。
エクセルシートについては気持ちとしては非常に作りたいです、ですが、エクセルで計算式を作るのは非常につらいです。なので、僕はfortranコードを公開する(コードの整理が終われば公開します)に留め、エクセルによるプログラムは誰かがやってくれるのを待つことにします。
返信サンクスです。
この合わせ方は実際にやってまして、結構使いやすいです。
やり方をまとめる際に考察済みであれば蛇足で恐縮なのですが。
実際にやった時の注意点として、レーザーサイトとドットサイトの位置をある程度正確に定規やノギスで採寸しておく必要があります。
たとえばレーザーサイトが銃口の真下4cmにあったら、2m先での着弾とサイトの光点は4cmズレた同じ場所に必要。 ここで平行にこだわれば、それだけ後で正確な角度が出せます。「レーザーサイトの平行出し」はお座敷シュートで十分出来ます。
ここで間違って光点と着弾点をあわせると・・・15mも離れたときに盛大に角度がズレます。
そしてハイマウント等でドットの光点が銃身の線上の10cm上にある場合、θ1.55度@15mで40cmの距離を取る場合、ドットとレーザーサイトの光点の上下差はその10cmと前述の4cmを足した54cmです。
ここらへんは色つきのテープなどを切って壁に貼っておけば簡単です。そしてサイトの調整に関しては、一発も弾を撃たずに手軽に行えます。
またこの時点で0.9Jの0.25の45.5回転にざっくりホップを合わせたい場合、A4の紙や新聞紙を釣っておき、前述の15mで54cm差の条件の時、ダットの光点から下30cmの場所に着弾円の中心が合うようにしておくと30mや50mレンジに行ったときにわずかな調整量で済みます。
またモノ(特にハイサイクル系)によってはホップゲージが回りきるので、レンジに出向く前により強めのホップゴムを用意し、交換しておくなどの対策も出来ます。
プログラムに関してはシロウトでフォートランに至っては15年前に高専で少しやっただけなのですが、主だった弾道データをCSVで実数で出力しておくなんてどうでしょうか。
エクセルで読みに行ってチョイチョイと選択して線画して終わり、的な。
ただ、変数が多いので、CSVに出すのが苦になりそうな。フォートランわからんす・・・。
以上、長文になりましたが、何かの一助になれば。
深くまでの考察を記述してくださってありがとうございます。
ドットの光点を見て平行をきちんとすれば難しいことは特にありませんね。
レーザーサイトを使えば射出する必要がない、というのはとてもいいですね。
家の中で調整を行うときは距離を稼げて5m~10m位でしょうか。これだと13cm~26cmでそこそこ十分ですね。
距離の違う2点で調整すれば更に確実性が増しそうです。
唯一の問題としてはレーザーサイトを持っているか持っていないかでしょうか。
持ってない場合はホップがほぼ無いときで打って確かめるくらいかと思います。
実際にやっている、ということはレーザーサイトで調整し、フィールドで試されたのですか?
もしそうであれば、本当にその角度でよさそうな軌道を描いてくれたのかそうじゃなかったのか、教えていただけると嬉しいです。この計算が机上の空論で終わっているのかどうかが現在心配なのです。
エクセルと弾道データはちょっと考えてみます。少しやってみてうまくいかなかったらやはり諦め、できそうな感じだったら作ってみます。
長文に渡る考察と提案、ありがとうございました。
記事の更新に関してはもう少し時間がかかってしまいそうです。また何か意見やコメント、このデータでやってくれ等ありましたらお待ちしています。
はじめまして。サバゲーるでこちらの記事の紹介を見て読ませていただきました。
この記事の通りになるのか興味をもったので、近所に40mの室内レンジにて実際に試してみました。
結論から言わせて頂くと、この計算に近い弾道を通っている可能性は十分にあると思います。
私が行った検討条件は
・G36(初速86程度)
・マルイ製0.2gプラスチック弾
を用いて行いました。
まず銃口にクランプを着けて、高さ1mで銃口の高さを固定。次に19m先に小さい缶を置き、そこの根本にノンホップで着弾するように銃の角度を調整、銃全体を固定しました。
その後、銃口から40m先、高さ1mの位置ににターゲットを設置し、そこに着弾するようにホップを調整しました。
次に、銃口から20mの距離にA4用紙大のターゲットを設置、着弾の中心がターゲットの中心になるように高さを調整して、10発連続でA4に命中した段階で、平均が取れるデータであると考え、このデータを元に高さの平均を求めることにしました。
同様の検討を25m、30m、35m(35mにおいてのみ、10発中9発命中の高さをデータとして用いる)でも行い弾道の大まかな軌道を求めることとしました。
ここまで書いておいて恐縮なのですが、時間が取れず、まだそれぞれの正確な高さは算出していません。
ですが、測定中の感じでは大体20m地点で高さ75cm、25mで85cm、30mで100〜105cm、35mで100〜105cmあたりを中心に着弾していたと思います。全体的に下に着弾点がよっているのは、初速が参考にしたMP7の想定より早いから弾道が下寄りになったのではないかと考えています。
詳しいデータは今週末にでも時間を取って解析する予定です。
実際に試した感覚では、かなり下に向けて射出しているので最初は(これ、銃口下に向けて強ホップかけて凹軌道を取ってるだけじゃないのか?)と感じましたが、実際にデータを取ってみるとほぼ水平で緩やかな上下の軌道をとっているので驚きました。
欠点としては、かなり下に向けて撃つ感覚なので、固定のアイアンサイトによる高さの調整は厳しいと思いますが、その辺りはドットサイトなどでの補正によってどうとでも出来ると思います。
だらだらと長文失礼しました。データがまとまりましたら再度コメントさせていただきます。
>ウエダさん
サバゲーるから来ていただいて、さらにコメントをありがとうございます。
銃の調整方法から結果まで非常にわかりやすい説明でとても興味がそそられました。
検証していただいて本当にありがとうございます。
とりあえずは全く見当違いの結果にならずに良かったです。
このパラメータがホップがかなり強いことは若干驚きました。実際にやらなければわからないことで、ウエダさんの貴重な時間と、情報から分かったことです。
詳細な情報、気になるので是非よろしくお願いいたします!
取り急ぎ、
・初速86m/s(~0.7396J)
・0.20g
での最適な弾道(ゼロインが20m,25m,30m,35m)の場合を記事の一番下に載せました。
参考にしてください。
今更なコメントですみません。可能であれば返信をお願いしたいです。
0.2と0.25では圧倒的に重いほうが安定するのは軽いボールと重いボールを手で投げた時にも感じ取れますね。屋外ではそうでしょうけど5mや10mの屋内でも着弾点を安定させたいなら0.25のほうが良いのでしょうか? 0.2も0.25も関係なくなるのでしょうか?
本編でも言及されていますが、今一度お教えいただければ幸いです。
後、ないとは思いますが、0.25のほうがチャンバーパッキンの摩耗が早そうとか、理論上でそういった面はあるのでしょうか?
コメントありがとうございます。
0.20gと0.25gでは、屋内、屋外、距離に関わらず0.25gの方が安定する、というのが現状の結論です。
この結論は、本稿の弾道計算では考慮されていない点である、
BB弾そのものの製造精度(球形、重さ、気泡混入のばらつき具合)が重い方が良いためだ,という原因からです。
チャンバーパッキンの摩耗については、私の知る限り理論上の話はありません。
強いて挙げるのならば、重いBB弾の方が回転量を多くかけなければならないので、
ゴムの浮き沈みが激しい=劣化しやすい、と言えなくもないですが、ほとんど無視できるような話でしょう。
——————————————–
理論上では、集弾性は軽い弾の方が良いのです。
これは以下のように説明できます。
理想的な状況を考えます。すなわち、
・BB弾が完全な球体で、均一の密度を持ち、
・無風であり、
・射出方向は同じ速度で射出され、
・銃口から飛び出た直後のばらつき具合がBB弾の重さによって変わらないエアガンから発射される
状況です。
この場合、ばらつきはBB弾を射出した時の横方向の速度のみが影響します。
軽い弾の方が空気抵抗を受けやすいので、横方向の速度は速く減衰し、集弾性が上がります。
ですが、現実には皆さんが体験している通り、0.25gの方が集弾性が良くなります。
これは本稿の弾道計算の結果では記述できない事実ですので、
買ってきたBB弾が固体に依って真球ではないとか、気泡が入っているとかそういうものだろうと思います。
どうも重い弾の方が個体差のばらつきは少ないようです。
また、BB弾の重さの精度も関係すると思われます。
0.20gのBB弾が±0.01g
0.25gのBB弾が±0.01g
の2例では、同じ0.01gのばらつきでも0.25gの方が精度としては高いので、
着弾点のばらつきが抑えられるのでは?、ということです。
遅れましたが、返信ありがとうございました。
無視できる影響なら、0.25も検討してみます。
いきなりの質問で申し訳ございません。
0.28では上下の差は他の弾よりブレが小さくなるのでしょうか?
射出する際のエネルギーが同じで、0.28gより軽い球と比較してという意味ならばそうです。