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位相速度、群速度とは!?調べてみました!!!!

近頃SNSやインターネットでよく見る言葉、「位相速度」「群速度」

元ネタや原理を分かった気になって使っている方、多いのではないでしょうか。
せっかくなので調べてみました!!!

  1. そもそも「位相速度」「群速度」って何?
  2. 学会騒然。ある波数近傍だけ値を持つ場合にテーラー展開!?
  3. 位相速度はどうやって!?驚きの仮定
  4. 簡単だと思いました?注意です!
  5. いろいろなところに群速度に関する議論が!
  6. 最後に
  7. Note

そもそも「位相速度」「群速度」って何?


なにはともあれwikipedia!!
関連するキーワードをササッと知るには強い味方です。
「位相速度」「群速度」を調べるとこのように説明されていました。

群速度(ぐんそくど、英: group velocity)とは、複数の波を重ね合わせた時にその全体(波束)が移動する速度のことである。

群速度 -wikipedia

位相速度(いそうそくど、英語: phase velocity)は、位相、すなわち波の山や谷の特定の位置が移動する速度のことである。

位相速度 -wikipedia

どうやら、波束波の速度を表現する際に都合が良い言葉なようです。

波束とは何なのでしょう…?また変な言葉が出てきました。wikipediaの出番です!!

波束(はそく、英: wave packet, wave train)は、局所的に存在する波うち/波動であり、移動する1個の波動の塊のようにふるまう。

波束 -wikipedia

うーん、つまり一回だけ波打って、ある程度まとまった波みたいなものですかね。
水面に水が一滴だけ落ちたときに発生する波みたいなものでしょう。

具体的にどういう意味なのでしょうか。気になりますよね!

皆さんも群速度、位相速度の導出が気になったら「tweet」、お願いします!

学会騒然。ある波数近傍だけ値を持つ場合にテーラー展開!?


角周波数が波数の関数として書けている場合、分散関係があるといいます。
つまり、角周波数\(\omega\)が波数\(k\)に依存して\(\omega=\omega(k)\)と書けている場合、波形のほとんどは

とように書けます!!
本来、位置\(x\)と時間\(t\)で書ける関数は、\(k\)と\(w\)の二重積分で表現されなければなりませんが、分散関係のおかげで\(\omega\)が強制的に決まってしまうので、一重積分で良くなるのですね!
うーん、とても嬉しい!!!!

…でも、あまりに一般的過ぎて分かりませんね。
しかし!!
応用で重要なのは、ゆっくり振動する包絡線早く振動する波掛け算で表されていることが多いのです。

つまり、これから考える波が持つ波数は、\(k= k_0\)の周りしか値を持たないのです。ここで、早く振動する波の波数を\(k_0\)と置きました。

\(k_0=5\)の場合、これから考えていく\(f(k)\)はこんな感じの特徴を持っています!ババン!

こんな特徴を持つのならば、\(k=k_0\)以外ではどうせ\(f(k)\to 0\)となるので、考えてもしょうがないっていう近似が使えそうですよね。

そ こ で !

波数\(k=k_0\)周りでいろいろテーラー展開して使用していきます。つまり、\(k=k_0\)の近傍さえ合っていれば、\(k_0\)以外でどんな振る舞いになろうとも\(f(k)\)がゼロになるので大丈夫でしょう!ということです。

早速、分散関係についてテーラー展開を行うと

となります。式を簡単に書くために\(\omega'(k_0)\equiv \frac{d\omega}{dk}\bigr|_{k=k_0}\)と置きました。

計算を進めると、

より、

のように書けます。つまり、式(4)が言っていることは、
時刻\(t\)の波形とは、初期状態\(t = 0\)の波形 \(f(x,0)\)を\(\omega'(k_0)t\)だけ平行移動させた波に、時間だけに依存する位相に関する変化分 \(e^{−i[\omega(k_0)−k_0 \omega'(k_0)]t}\)が掛け合わされたもの、と表すことができる。と言っています。

以上から、初期状態の波が時刻\(t\)に至るまでの速度は\(\omega'(k_0)\)で決まることが分かり、これは
群速度
と呼ばれます!!

位相速度はどうやって!?驚きの仮定


さて、ここまでで群速度が求まりましたが、位相速度が求められていません。
そこで、もう少し具体的な波の形を定義しましょう。
波が、

と書けている場合を想定します。ここで、振幅\(A(x,t)\)は実数値関数で波の包絡線を表しています。また\(A(x,t)\)の変化は \(k_0\) に比べて非常にゆっくり変化しているものとします。
つまり、

今まで考えてきた仮定が全部使える

んですね!

式(5)に代入しますと

となります。つまり、振幅の変化はいつも初期状態の単なる平行移動として表現することができ、位相の変化も簡単に表せられます。

そこで、振幅が平行移動する速度を群速度\(v_g\)、位相が平行移動していく速度を位相速度 \(v_p\) として定義すると、 式(6c) よりそれぞれ

と定義してしまうのが良さそうです!

簡単だと思いました?注意です!


注意しなければならないのは、群速度と位相速度の概念は、

振幅と位相を記述する部分がはっきりと区別できるような状況でなければ、定義できない

ということです!振幅部が早く振動していたら、これまでの議論が使えなくなることに注意しましょう。
その場合、群速度と位相速度の概念が変わってしまうので、意味をなさなくなってしまいます。

いろいろなところに群速度に関する議論が!


様々なところにリンクがあります。やはり皆、群速度の概念を理解するのに苦労しているようですね。

群速度の謎 -平林 浩一, (C) 2006

「yam@広島大」物理化学Monographシリーズ ”3. 物体の速度と物質波の速度 -E=hνの本質の理解-”

最後に


いかがでしたか?気に入ったなら是非、記事の下にある「like!」ボタンや「tweet」して皆さんに共有して下さいね!
それでは皆さん、良い物理ライフを!

Note


本記事の大枠の構成はいかがでしたか? -ニコニコ大百科を参照しています。

負の周波数とは何か

三角関数で負の周波数はいらない。
負の周波数という言葉が出てくるならば、それは指数関数で表現されていることを暗に意味する。

Q氏とR博士の会話1


Q「負の周波数というものがあると聞きました」
Q「周波数は正ではないのでしょうか」

R「それは”周波数”の意味が違うのだな」
R「詳しくは基底関数だ。正の時と負の時とで、基底関数が違う」

Q「意味が分かりません。もう少し詳しくお願いします」

R「そうだな」
R「別の言い方をすれば、”周波数”と言ったときに、大きく2つの周波数があるのだ」
R「1つはsin, cosの三角関数の周波数、もう1つはexpの指数関数の周波数だ」
R「この説明でどうかな」

Q「周波数は周波数でしょう。関数で意味が変わるのでしょうか。意図がつかめません。もう少しお願いします」

R「素直でよろしい。その通り、周波数の意味は関数によって変わるのだ」
R「具体的に考えよう。周波数を引数に持つ関数を考えてみようか」
R「わたしが、『時間tに依存する周波数f=1を持つ関数yを考える』と言ったら、君はどういう関数yを想像するかな」

Q「三角関数ですね。\(y=\sin(2\pi t)\)を想像します」

R「そうだ。そこが負の周波数が受け入れられない原因なのだ」
R「私は\(y=\exp(i2\pi t)\)という指数関数を想定して周波数f=1と伝えた」
R「しかし君は勝手に三角関数の周波数として理解してしまった、理解できてしまった」
R「三角関数の周波数ならば、その周波数は正の周波数しかありえない」 (数式による補足)
R「なぜなら、三角関数の周波数が負になったところで、それは正の周波数を持つ波の定数倍で表現できてしまうからだ」
R「つまり、\(\sin(-t)=-\sin(t)\)だからな。負の周波数は不要だ。」

Q「なるほど」

R「負の周波数という言葉は指数関数を考えていることを暗に示している」
R「指数関数の場合、\(\exp(-it)\)を\(\exp(it)\)を使って表現することができないのだ」
R「だから負の周波数が絶対に必要になる」

Q「問題文の説明不足が原因でしたか。理解できました」

Q氏とR博士の会話2


Q「周波数の成分が少なく済む三角関数の方が便利ではないですか」
Q「負を考える必要がないのでしょう」

R「1つ、伝えていなかったな。どちらも同じ程度の便利さだ。」
R「先ほどsinの正の周波数だけで表現できるとしたが、実はこれでは不十分なのだ」
R「ある関数を三角関数で表すならば、必ずsin, cosの両方を用いなければならない
R「つまりsin関数の周波数ゼロから正の無限大、cos関数の周波数ゼロから正の無限大の二つを用いる関数だ」
R「反対にexp関数を使う表現方法ならば、周波数は負の無限大から正の無限大の一つを用いる関数だ」
R「”周波数”にも”sin関数の周波数”、”cos関数の周波数”、”exp関数の周波数”の3つがあるわけだ」
R「指数関数ならば1つの関数系(exp)で済むから、その意味で簡単だ。しかし、負の周波数が出てきたり、複素関数として扱わなければならなくなる。」
R「三角関数ならば2つの関数系(sin, cos)を用いなければならない。どちらの周波数を考えているかいちいち説明しなければならないが、実部だけで話ができる利点がある。」

Q「なるほど。理解しました」
Q「どちらも場合によるのですね」
Q「フーリエ変換を考えたい場合は指数関数の方がよさそうですね」

R「その通り。まぁ、指数関数による表現がまさにフーリエ変換だがな」
R「ちなみに、基底関数という言葉は、ここでいう三角関数や指数関数のことだ」
R「どういう関数で展開したか?の”どういう関数”が基底関数と呼ばれる」

数式による補足


任意の関数\(y(x)\)を表現する場合、振動関数であるsin, cosまたはexpを考えます。
任意の関数を適当な関数系で表現するためには、その関数系が完全系であることが求められます。
つまり、三角関数を用いる場合、
\(\displaystyle
y(x)=\int_0^{\infty} A(f) \sin(2\pi f x) df+\int_0^{\infty} B(f) \cos(2\pi f x) df
\)

として表現できます。反対に、指数関数を用いるならば、
\(\displaystyle
y(x)=\int_{-\infty}^{\infty} C(f) e^{i2\pi f x} df
\)

と書かなければなりません。
つまり、負の周波数という言葉は指数関数が現れる場合にしかあり得ないのです。

もちろん、積分の変数変換によってsin, もしくはcos関数の周波数を負の無限大からゼロなどに変更することが可能ですが、こんなことをわざわざやる必要性、あり得ますかね。

私が昔見たことがある説明で
\(\displaystyle
\begin{align}
y(x)&=\cos(\omega x) \\
&=\frac{1}{2}\cos(\omega x)+\frac{1}{2}\cos(-\omega x)
\end{align}
\)

と変形できるから正の周波数と負の周波数になる、というものを見たことがありますが、これは完全に間違いを誘発させるための説明です。

なぜなら、\(\cos\)の係数に任意性があるためで
\(\displaystyle
\begin{align}
y(x)&=\cos(\omega x) \\
&=100\cos(\omega x)-99\cos(-\omega x)
\end{align}
\)

としても全く問題ないからです。三角関数の引数が負であるものと正であるものは独立ではないのです。

割り勘のお金のやりとりを表示する計算ツール

数人で旅行を行う際に、代表者がまとまって支払うことが多々あると思います。
旅行終了後に割り勘をする場合に計算が大変になりがちです。
その場合にスマホでも使える計算ツールを実装しました。

旅費計算ツール
https://slpr.sakura.ne.jp/qp/calc/splitcheck/split.html

例えば4人(A,B,C,Dさん)の旅行を考えます。グループとして支払った額を以下のように仮定します。
・旅館代としてAさんが4人分を3万円まとめて払ったとします。
・ご飯台としてBさんが4人分を1万円まとめて払ったとします。
・車台としてCさんが4人分を7000円まとめて払ったとします。
・Dさんは支払いをしていません。

旅行が終わった際に旅行全体で割り勘したいと考えたとき、計算とお金のやり取りをどうすればいいか悩みます。
少ないお金のやり取りで済ませたいですよね。そのためのツールがこれです。

人数を入れ、支払い額を入力し実行しますと結果が出ます。

上の例でお金のやり取りは、

・DさんがAさんに11750円支払う
・CさんがAさんに 4750円支払う
・BさんがAさんに 1750円支払う

ことで終わります。もし、100円単位でということであれば、”100円丸め”の計算を実行してください。


htmlとjavascriptで書いています。一度ページにアクセスしておきさえすれば、オフラインでも使えます。
計算実行時にサーバーにアクセスするわけではないので、私は入力した情報を参照することができません。安心してお使いください。
心配な方は、ソースを表示させて計算プログラムを確認してください。

お金のやり取りは最小になると思いますが、証明はしていません。最小に近いやりとり、です。

ガウス求積法の導出

ガウス求積法は、関数の数値積分を行う方法です。
N個の点で関数を参照すると、2N-1次以下の多項式で表される関数を厳密に数値積分することができる方法です。

ガウス求積法の凄さを少し述べます。
通常、3個の任意の点における値があれば、その3点を結ぶ2次関数を作ることができるので、うまい選び方をすればN個の点でN-1次の関数を厳密に表現できそうであり、それが厳密に積分できてもそこまで不思議ではありません。

ですが、ガウス求積法では分点の位置にも制限を加えることで積分の次数を倍にすることができます。
分点の位置を制限するにもかかわらず、高々二倍になるだけか…とも思われますが、これは同じ精度に達するまでに関数の評価点数を半分に減らせることと同じです。
評価点数を少なくできるというこの性質は、多次元の計算において顕著に現れます。なぜなら、1次元で半分になるので2次元では4分の1になります。

多少無理してもガウス求積法を使う価値があります。
科学技術計算ではガウス求積法を使うことをお勧めします。ガウス求積法を推奨します
ガウス求積法を使いましょう(圧)。

本稿のPDF版はこちらのリンクからどうぞ。
https://slpr.sakura.ne.jp/qp/wp-content/uploads/2021/03/Gauss_legendre_quadrature_derivation.pdf

いたずらに図を使っても分かった気にさせるだけなので、意味のある図は特にありません。

導出手順


導出は以下の順番で行います。

  1. 点数と次数の関係
  2. 具体的な位置と重みの計算

『点数と次数の関係』では、M個の離散的な点を用いてN次多項式を厳密に積分できるとき、NとMの関係を導出します。
『具体的な位置と重みの計算』では、具体的に、M点の位置とその重みを導出します。

ガウス求積法を利用する方は、1. が分かればよいと思います。
ガウス求積法を研究する方は、2. まで分かればよいと思います。

また、本稿ではガウス求積法の中で最も基本的な
ガウス=ルジャンドル求積法
について記述します。他の方法も、ガウス=ルジャンドル求積法の導出を理解できれば、おのずと分かるでしょう。

先に結論をまとめます。
\(2N-1\)次以下の多項式\(f(x)\)の積分を、N個の点だけを用いて厳密に計算できます。
つまり、

を厳密に計算する点の位置\(x_i\)と\(w_i\)が存在し、N個の\(x_i\)とN個の\(\omega_i\)は

から求めることができます。ここで、\(P_n(x)\)はn次ルジャンドル多項式です。

点数と次数の関係


N次多項式を有限区間\([-1,1]\)で、M個の点を用いて数値的に厳密に積分することを考えます。つまり、関数\(f(x)\)がN個の既知の係数\(a_n\)を用いて

と書けている場合に、積分

を考えます。この積分を離散的な点だけを用いて計算します。つまり、適当なM個の点を用いて

となるような右辺の\(x_i, \omega_i\)の組み合わせを求めることが目標です。

式(3)をできるだけ計算していきましょう。

まず、式(3)の左辺を積分すると、

となります。

続いて、式(3)の右辺を計算すると、

と書けます。ここで、\(\omega_i\)は重みであり、適当な係数です。もしも任意の\(a_n\)について、式(3) の右辺と左辺が厳密に一致するならば、\(n=0, 1,\cdots, N\)について、

が成立します。この式は合計で\(N+1\)個の方程式の数があります。今、右辺の未知の係数は\(\omega_i, x_i, (i=1,\cdots, M)\)なので、右辺の自由度は\(2M\)個あります。
つまり、両辺を一致させるような係数の組み合わせがあるならば、

である必要があります。よって、もっとも小さくなるような\(M\)であるならば、上式の等号が成立します。できるだけ少ない点数で計算したいので、等しい場合を採用して

となります。つまり、M個の点を利用すれば\(2M-1\)次の多項式を厳密に計算できる点の位置\(x_i\)と\(w_i\)が存在します。

具体的な位置と重みの計算


具体的な分点の位置

積分

を求めるために、離散的なN個の点\(x=x_i\)における\(f(x)\)の値だけを利用します。つまり、

の点は既知とします。ここで、\(f_i\equiv f(x_i)\)と定義しました(この時点でまだ\(x_i\)は決まっていません)。
新たな関数\(f(x)\)を定義します。\(f(x)\)は、式(12)のN個の点を全て通る\(N-1\)次多項式であり、一意に決まります。具体的には、ラグランジュ多項式を用いて

と書けます。ここで、更に\(f(x)\)と\(f(x)\)の差の関数\(g(x)\)

を定義します。\(x\)の次数を確認しておくと、\(g(x), f(x)\)は\(2N-1\)次、\(f(x)\)は\(N-1\)次多項式です。
ここで、\(f(x_i)=F(x_i),~(\mbox{for all } i)\)なので、\(g(x)\)は

の性質を持ちます。積分を考えると

であり、\(f(x)\)を離散的に表すと、

です。今、\(f(x)\)は\(2N-1\)次であり、\(f(x)\)はN個の点で表現されているので、前節の議論から式(17)をゼロにするような\((x_i, \omega_i)\)の組み合わせが存在することが分かります。
今, \(g(x)\)の満たす性質として式(15)が分かっていますので、N個の\(x_i\)について、

と書き換えることができます。
ここで、\((x-x_1)(x-x_2)\cdots(x-x_N)\)はN次多項式で、\(G(x)\)は\(N-1\)次多項式です。つまり、

を満たすN個の\(x=x_i\)を探すことができれば嬉しいわけです。ここで、\(G(x)\)は\(N-1\)次多項式なので、\(N-1\)次のlegendre多項式を用いた基底関数で展開可能です。なので、

と書くことができます。また、

はN次なので、N次多項式の関数で書くことができます。

つまりN次多項式としてN次legendre多項式\(P_n(x)\)を選ぶことにします。
単にN次であるだけだと、N次以下の全てのlegendre多項式の和で書けなければなりませんが、点\(x_1, x_2, \cdots, x_N\)を\(P_N(x)=0\)を満たすN個の点を作為的に選ぶことにしましょう。

このように選ぶと、N次以下の和ではなく、N次のlegendre多項式だけで書くことができて、

とする定数\(c\)を見つけることができます。

これからの議論において定数\(c\)を具体的に決める必要はありませんが明確に決めたい場合

の関係から決まります。

式(19)に式(20), 式(22)を代入すると

となります。これはつまり、N次legendre多項式のゼロ点を求積法におけるゼロ点として選ぶと

を満たすように\(g(x)=0\)にできるということです。

ここまでの議論で、分点の位置\(x_i\)が求まりました。
残るは、まだ決定していない重み\(\omega_i\)を決めることです。

具体的な重み

上記までの議論から、\(2N-1\)次の多項式で記述される\(f(x)\)の積分は、N個の点を用いて

を厳密に積分する分点の位置と重み\(x_i, \omega_i\)の組があることを示し、分点の位置\(x_i\)は、N次legendre多項式のゼロ点、すなわち

を満たすN個のゼロ点であることが分かりました。次は重みを決めます。
式(16)より\(2N-1\)次の\(f(x)\)をN次のlegendre多項式のゼロ点を通る多項式の積分に置き換えできます。

つまり、式(13)を用いて

のように置き換えできます。つまり、重みは

ですので、これを求めることが問題となります。

積和は書き換えがやりにくいですので、意図的に消していきましょう。
式(22)から、

分かっています。意図的にk番目の式についてまとめると、

となります。また、式(35)の両辺を微分すると

となります。特に、\(x=x_k\)ならば、

式(36)と式(40)を組み合わせると、

なので、重み\(\omega_k\)は

となります。この積分を計算するために多項式の性質を用いて計算を進めましょう。
右辺の形は、クリストッフェル=ダルブーの定理から導けそうな形であることを当たりをつけて計算します(私のような凡人には思い付きません。天下り的に使います。導けるからそれで良いです)。

直交多項式(Legendre多項式やLaguerre多項式など)にはクリストッフェル=ダルブーの定理 (Christoffel–Darboux theorem) があります。それは、n次の直交多項式を\(P_n(x)\)と書くとき、\(P_n(x)\)には

という性質であります。ここで、\(k_n\)は、直交多項式\(P_n(x)\)の\(x^n\)の係数で、

で表されるときの係数です。この係数を具体的に求めてみましょう。そのために、
legendre多項式の性質の一つである三項漸化式

を用います。xの次数で両辺を比較すると

なので、次数を比較すれば最高次の係数について

の関係があります。よって、

を得ます。また、\(h_N\)は直交性から導かれる係数で、

を満たします。legendre多項式の場合、\(w(x)=1\)であり、\(h_n=\frac{2}{2n+1}\)です。

重みの計算に使いたいため、クリストッフェル=ダルブーの定理に対し、\(N\to N-1\)にして、legendre多項式の場合に適用、さらに\(y=x_k\)の場合を考えて、

より、

を得ます。ここで\(P_{N}(x_k)=0\)を利用しました。

式(43)に式(56)を代入して、

となります。\(P_n(x)\)の微分は次数が一つ下がるので、\(P_{n-1}(x)\)と同じ次数になります。つまり、両者に何か関係がありそうですので頑張って見つけてみます。

微分に関する三項漸化式

を用います。特に\(n=N,~x=x_k\)の場合、

の関係があります。代入すると重みは

と求めることができます。

まとめ


\(2N-1\)次以下の多項式\(f(x)\)の積分を、N個の点だけを用いて厳密に計算できます。
つまり、

を厳密に計算する点の位置\(x_i\)と\(w_i\)が存在し、\(x_i, \omega_i\)は

から求めることができます。ここで、\(P_n(x)\)はn次ルジャンドル多項式です。

参考文献など


恐らく、ガウスが発表した論文がこれではないかと思います。ドイツ語のwikipedia(https://de.wikipedia.org/wiki/Gau%C3%9F-Quadratur)にリンクがありました。
Methodus nova integralium valores per approximationem inveniendi. In: Comm. Soc. Sci. Göttingen Math. Band 3, 1815, S. 29–76

Abramowitz and Stegun, “Handbook of Mathematical Functions.”
https://www.math.ubc.ca/~cbm/aands/page_887.htm

L. Bos et al, “An Orthogonality Property of the Legendre Polynomials”, Constr Approx (2016)
https://math.indiana.edu/promotion/files/legendrepaperinprintCA.pdf

LECTURE 16GAUSS QUADRATURE
https://coast.nd.edu/jjwteach/www/www/30125/pdfnotes/lecture16_19v17.pdf

Identities and properties for associated Legendre functions
https://www.mat.univie.ac.at/~westra/associatedlegendrefunctions.pdf

Christoffel–Darboux formula -wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Christoffel%E2%80%93Darboux_formula

光の反射と質感

最近、Blenderを始めました。

3DCGでは見た目が重要視されます。そのため、物体がどのように光を反射しているのかが、見たときの質感に大きく影響を与えます。
Blenderではレイトレーシングでレンダリングを行うことができるので、どのように反射するのか知っていれば、それに近い質感を再現することができます。

反射の種類についてあまり知らなかったので物体の反射をまとめました。

https://slpr.sakura.ne.jp/qp/wp-content/uploads/2021/02/blender_relrection.pdf(14MB)

上のPDFは重いので、参考のjpg画像を置いておきます。

再学習用の電磁気学

電磁気学を可能な限り短くまとめました。電磁気学を一度学んだ方の再学習用を想定しています。
歴史を追うような考えをしていません。なので、証明には「なるからなる」を多く取り入れています。
経緯を知りたい方は各種参考書をご覧ください。

https://slpr.sakura.ne.jp/qp/wp-content/uploads/2021/02/electromagnetism.pdf

electromagnetism

間違いがありましたら、コメントなどいただけると助かります。

水素原子の原点に電子を見出すか?

問題


水素原子の電子の基底状態において、原点に電子を見出すことができるでしょうか?

問題設定


非相対論の範囲で、水素原子の電子を考えます。
電子の満たすシュレーディンガー方程式は、プランク定数\(\hbar\),電子の電荷\(e\),電子の質量\(m\)
をそれぞれ\(\hbar=1, e=1, m=1\)とする原子単位系で

と書けます。ここで、\(\nabla\)はデカルト座標系\((x,y,z)\)における微分演算子\(\nabla=\left(\frac{\partial }{\partial x}, \frac{\partial }{\partial y}, \frac{\partial }{\partial z} \right)\)であり、\(\psi(\mathbf{r})\)は波動関数を表します。
規格化は

で行います。特に、これから中心力に対する問題を考えていくので、球面座標系で変数分離を考えます。球面座標系において動径方向\(r(=\sqrt{x^2+y^2+z^2})\)と角度方向\(\theta(=\cos^{-1}(z/r)), \varphi((=\tan^{-1}(y/x)))\)の\((r,\theta, \varphi)\)座標における波動関数は

と書きます。ここで規格化は

とします。過程は飛ばしますが、シュレーディンガー方程式の固有値\(E=-1/2\)に属する基底状態の波動関数は、量子数\((n, l, m)=(1,0,0)\)を持つ状態として指定され、\(R(r)\)は

と書けます。\(\theta, \varphi\)方向の関数は\(Y_{0,0}=({4\pi})^{-1/2}\)ですので、波動関数は

となります。

さて、存在確率密度はどう考えればよいでしょう?
まず規格化から、

と計算されるわけですから、原点からの距離\(r\sim r+dr\)の範囲に電子を見出す存在確率密度\(f(r)dr\)の係数\(f(r)\)は

と書けます。

一方、存在確率密度は波動関数の絶対値二乗ですので、

ですから、位置\((x,y,z)\sim (x+\Delta x,y+\Delta y,z+\Delta z)\)の範囲に見出す確率\(g(x,y,z)dxdydz\)の係数\(g(x,y,z)\)は

と書けます。
さて、ここで疑問が生じます。原点\((x,y,z)=(0,0,0)\)において、電子を見出す可能性はあるのでしょうか?

つまり、動径方向の関数については原点における\(f(0)\)は式(8)より

であり、\(g(0,0,0)\)は式(10)より

と書けるのでどちらが正しいのか?本当に観測を行ったとき、原点で電子を見出すことはあるのか?

という問題です。つまり、グラフにすると以下のようになります。\(g(x,y,z)\)については、\(x=y=0\)としてグラフにしています。

これで注目するのは、原点における値がゼロか有限か?で大きく異なっている点です。

座標系が違うだけで物理が変わることはありませんので、これは解釈の問題です。
現実には原点には原子核があるので原点における電子を観測することはできないので、頭の中で考えます。
結論としては、どちらも正しくて解釈が異なる。そして、原点で電子を見出すことがあっても良いです。
その理由を述べていきます。

考察


まず、数値実験を行い事実を確認します。
デカルト座標系\((x,y,z)\)における波動関数\(\psi(\mathbf{r})=\frac{1}{\sqrt{\pi}}e^{-\sqrt{x^2+y^2+z^2}}\)は紛れもない事実ですので、フォン・ノイマンの棄却法に従って、\((x,y,z)\)空間で一様な変数を作り出し、この確率密度に従った乱数を表示させます。すると以下のような図を得ます。

例えば\(x=0, y=0\)に固定してz軸上の波動関数は、

となりますので、\(z=0\)においてゼロではない有限の値をとるため確率密度が存在しそうなので、原点に電子を見出してもよさそうです。

続いて動径方向の分布を考えましょう。棄却法によって採用された\(n\)番目の点\((x_n,y_n,z_n)\)(図に表示されている点)の原点からの距離\(r_n=\sqrt{x_n^2+y_n^2+z_n^2}\)を調べてみます。そして、\(r\sim r+\Delta r\)の範囲にある点数を数え、観測された個数と原点からの距離の関数を考えます。これは動径分布関数の\(f(r)\)に等しいはずです。すると、以下のような図を得ます。

確かに、確率密度の係数にかかる分布\(f(r)\)になっていることが分かります(最大値を1にするように規格化しています)。

さて、以上の数値実験からやはりどちらも数式通りであり、正しいことが分かりました。
すると解釈の問題でしょう。どのように解釈していけばよいかを考えていきます。

まず動径方向の確率密度\(f(r)dr=r^2R^2(r)dr\)ですが、これは正確には

と書いたほうが良いでしょう。意味は、半径が\(r\sim r+dr\)の間を占める球殻の体積は\(4\pi r^2 dr\)であり、その体積の中に粒子の見出しやすさ\(\frac{R^2(r)}{4\pi}\)が掛かっている、という意味です。

半径が\(r\to 0\)の極限において、式を解釈すると、

球殻の体積がゼロのとき、その中に粒子を見出す確率はいくつか?

という問いになります。見出すことができる体積はゼロなので、体積ゼロの領域に電子を見出すことはできません。なので、

となります。すなわち、\(r^2 dr\)の部分がゼロになるだけで、\(R^2(r)\)の部分は値を持っていても良い、ということになります。少し詳しく言えば、球殻の体積がゼロの時に確率があると確率が無限大になってしまうので、少なくとも\(r\to 0\)で\(R(r)\propto r^{n},~(n>-1)\)であることが課されます。

以上の話が正しければ、原点では体積がゼロなので、電子を見出す確率\(r^2R^2(r)\)は\(r=0\)でゼロ、すなわち電子を見出さない、という結論になりそうです。

これまでの考察を行っても矛盾が生じたままで、何一つ解決していません。
「原点において電子を見出す体積がゼロだから、電子を見出せない」という結論が誤りなのか、もう少し疑ってみます。

体積がゼロでも電子を見出すことがあり得ることを仮定した場合、これはどういう意味を持つでしょうか。

2つの解釈を説明します。

  • 有限の大きさによって、本当の原点に電子を見出すことはない
  • 例えば将来的に超高精度な観測機器ができた場合、原点に電子を見出す場合にしても、現実ではどう頑張ってもプランク長(10^{-35}\mathrm{m})以上の分解能は無いはずです(電子の大きさもありますしね。しかもプランク長以下の長さは物理的な意味がないと言われています。一応、プランク長よりも短くなる長さがあるようですが、無限小よりかは大きいでしょう)。なので、原点に電子を見出した!と思っても、実は原点からほんのちょっとずれているのかもしれません。
    だから、本当の原”点”に電子は見出さないのかもしれません。

  • 点で電子を見出すか、密度を考えるかで区別しなければならない
  • 点自体に体積は無いので、確率密度がゼロだからと言って原点に電子を見出しても良い

二番目の点自体に体積は無いので、確率密度がゼロだからと言って原点に電子を見出しても良い、が正しいと思いますが…すみません。調べたりしたのですが、なかなか目当ての問題や解答がなく、探すのを諦めました。
存在確率密度なので、(体積中の電子を見出す確率)/(見出す体積)ですが、原点であればこの分母がゼロです。
この場合に、原点に電子を見出したからと言って、それは体積でも何でもない0次元の情報ですから、確率「密度」の情報に対応させることができません。なので見出しても問題がないと考えます。

一方、原点以外で波動関数の節となる確率密度がゼロになる点においては体積が有限であり、その点では本当に見出すことは本当の意味でありません。

結論


点自体に体積は無いので、確率密度がゼロだからと言って原点に電子を見出しても良い。

…で合っていると思いますが、明確な参考文献を見つけられませんでした。
メモとして、これまでの考察を書きました。

補足)カスプについて


一つ、本当の原点に電子を見出してしまった場合、ポテンシャルエネルギーが発散しないのか心配になります。
すなわち、ポテンシャルエネルギー項が\(-\frac{1}{r}\)であり、無限大になるので非物理的な気がします。

だからと言って、ポテンシャルエネルギーが発散するから非物理的である、という結論は間違いです。
この原点における発散はカスプ(Cusp)と呼ばれ、運動エネルギーの項と相殺するため、消えてしまう、もしくは消えなければなりません(カスプ条件)。カスプについて説明するために、もう一度シュレーディンガー方程式に立ち返って考えてみます。

左辺のハミルトニアンのポテンシャル項\(-\frac{1}{r}\)は\(r=0\)で発散しています。しかし束縛状態では、波動関数の二乗は電子の存在確率密度ですので、全空間で積分したら有限にならなければなりません。つまり右辺\(E\psi(\mathbf{r})\)は発散してはなりません。
以上から、\(\psi(\mathbf{r})\)は連続でなければならず、\(r=0\)で

を計算したら\(\frac{1}{r}\psi(\mathbf{r})\)の項が出てきてポテンシャルエネルギーの項を打ち消さなければなりません。
波動関数に課されるこの条件は、カスプ条件と呼ばれます。

陰関数の等高線を数値計算で求める

まとめ


関数

を求める問題を考えます。
\(f(x_0, y_0)=0\)を満たす\((x_0, y_0)\)が与えられている場合、\((x_1\equiv x_0+\Delta x, y_1\equiv y_0+\Delta y)\)を求めることを考えていきます。
まず、

の変換を行い、初期値\((x_0, y_0)\)を\((x’_0, y’_0)\)に変換します。
ここで、\(\theta\)は定数で

です。\((x’_0, y’_0)\)を新たな初期値として微分方程式

を解き、\(x_0′\)から微小距離\(h\)だけ発展させた\(x_1’\equiv x_0′ + h\)とその値\(y_1’\equiv y_0′ + \Delta y\)を求めます。
その後、逆変換

を経ることで\(f(x_1,y_1)=0\)を満たす\((x_1,y_1)\)の値を得ることができます。

導出


陰関数

を満たす\((x,y)\)を求めます。ある点\((x_0, y_0)\)において\(f(x_0, y_0)=0\)を満たすことが分かっている場合、
陰関数の全微分より、\((x_0, y_0)\)の近傍で

が満たされています。\(f(x_0,y_0)=0\)であり、\(\Delta x\approx \Delta y \to 0\)ならば、\(O(\Delta^2)\)の項を無視して

が成立する変化のみが許されます。両辺を\(\Delta x\)で割って、\(\Delta x\to 0\)の極限をとれば、

を得ます。すなわち、式(9)を何らかの手段、例えば数値計算で解けば等高線を得ることができます。

発散への対処


さて数値計算によって微分方程式(9)を解いて等高線を描く場合、\(y\)が\(x\)の一価関数になることはほとんどありません。
そのため、式(9)の右辺の分母がゼロになることがあり、微分が発散するため計算を行うことができなくなることがあります。言い換えれば、発散しない範囲しか計算できなくなるということです。
これを回避するためには様々な方法があると思いますが、例えば変数変換を適宜行いながら積分を実行していくことでこの問題を回避することができます。

発散を回避するためのアイデアは以下の通りです。
\(y\)を\(x\)の関数と見たとき、微分が発散するということは、分母がゼロになることを意味しています。
しかし、その点において90°回転させて\(y\)を\(x\)の関数としてみれば微分はゼロに等しいため、問題なく計算を進めることができます。
図示すれば以下の通りになります。

左図は座標を変化せずにそのままの関数ですが、右図のようにある点を計算したいときにその点近くの傾きと等しいように回転した座標から見るようにします。こうすることで発散を回避することができます。

これから変数変換について考えていきます。新たな変数\(x’, y’\)を用いて\(x=x(x’, y’),~y=y(x’, y’)\)(またはその逆関数)と書けているならば、

と書いても良いです。すなわち式(9)を解く代わりに\(x’\)と\(y’\)に関する方程式

を解いても良いのです。具体的に変数変換


を考えます。これは座標を\(\theta\)回転させた座標系への変換です。もちろん、\(\theta=0\)のとき、\(x=x’, y=y’\)が成立し、恒等変換となります。微分方程式は

であり、\((x’, y’)\)の空間で解いていきます。

さて、回転角\(\theta\)は任意ですが、式(15)の右辺が発散しないような\(\theta\)を選ぶ必要があります。
また、数値計算を行う上では、傾きがほとんど0に近いほうが有利です。そのため、方針としては現在の傾きを計算し、その傾き分だけ逆方向に座標回転させることでこれを実現させます。
すなわち、

分だけ回転させます。現在の傾きと座標軸の傾きを一致させることで傾きがほとんどゼロの座標軸に回転させるのです。

プログラム

以下にプログラムを示します。
必要な情報は\(f(x,y)\)の\(x, y\)方向の偏微分\(\frac{\partial f}{\partial x}, \frac{\partial f}{\partial y}\)の解析解です。関数名”fx”, ”fy”にそれぞれを入力してください。
計算は刻み幅制御の陽的ルンゲクッタ法を用いています。

具体例


具体的に関数\(f(x,y)=x^3-2xy+y^3\)の等高線を考えていきましょう。
関数の値がそれぞれ、\(0.01,1,2,5\)に等しいときの等高線を考えます。
具体的な初期値は、
\(\displaystyle
f(-2,1.3657)\approx 0.01,~f(-2,1.4646)\approx 1,~f(-2,1.5568)\approx 2,~f(-2,1.7977)\approx 5
\)
とします。
具体的に解いたのが左の図です。

”正解”としたgnuplotの等高線表示の結果と同じ結果が得られました。座標回転がうまく働いているようですね。微分の発散を抑えるだけでなく、数値計算量も抑えられているようです。

刻み幅\(h\)が正である場合と負である場合で進む方向が変わります。
また計算の途中で分岐がある場合、どうなるかは保証できません。

また、閉じた等高線が複数ある場合、その全てを計算することは本稿のプログラムだけではできません。初期値を求める別のプログラムを作成する必要があります。
更に、等高線がある値に等しい量を計算することはできません。初期値の値に等しい等高線を引きます。

追記


調べ物をしていたら

照井章, 佐々木建昭著『27.代数関数の陰関数描画について』
http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/0941-27.pdf
という素晴らしい資料がありました。

この文献では2つの方法が紹介されており、
1.\(f(x,y_0)=0\)を解いて\(x=x_1,x_2,\cdots,x_n\)を解く
2.陰関数定理から求める
という方法です。資料では、1.の方法を採用していましたが、本稿の方法は2.の方法でした。
1.はもれなく等高線を見つけることができますので、考えられる結果を得たい場合によい方法です。
一方、2.は全てのゼロ点を見つけることができませんが、計算が早くできます。別の方法などで注目したい等高線が分かっている場合に良い方法でしょう。

効率的に解くためには、場合によって使い分けることが一番です。

エアガンの集弾限界

理想的なエアガンとBB弾、それに風などが無い理想的な環境があったとします。

この場合、

 30m先 | 直径3cm
 50m先 | 直径10cm

以下のばらつきに抑えることは構造的に不可能です(60cmのバレルで0.9Jで射出する場合)。

バレルとBB弾に直径差があることによって生じるこのばらつきを軽減するには、
 ・バレルの直径を小さくする
 ・バレルを長くする
 ・バレル内部の素材とBB弾の反発が起こりにくいものにする
にすることで軽減されます。


ここでの理想的とは、

・球の直径のばらつきは無い
・いつも同じ初速で撃ち出せる
・無風

とします。この場合でも同じ点に集弾することはありません。
なぜなら、バレルの直径とBB弾の直径が異なる為です。この差によってどの位集弾性が悪くなるのか、見積もりましょう。

これは構造的な問題であり、ばらつきの原因の中で取り除く事ができない1つの原因です。

ばらつく原因として、以下の三つが考えられますが、まず本稿では理想状態のばらつきを考えます。

ばらつきの種類 理想状態のばらつき(本稿) 製品誤差によるばらつき セッティングによるばらつき
BB弾重さ あり なし
BB弾の大きさ なし あり なし
回転のばらつき なし なし あり
手振れ なし なし あり

ばらつきが生じる原因


何故ばらつきが生じるかを考えましょう。
全くの理想であれば、銃口から同じ初速、角度、回転量で射出されたBB弾にばらつきが生じることはありません。
しかし、現実にはバレルの大きさとBB弾の大きさに差があります。これによって銃口から射出する時に進行方向と垂直な平面に速度を持つことになります。
銃口から出てきたBB弾の速度\(\mathbf{v}\)を以下のように表現します。

ここで、\(v_{z}, \mathbf{e}_{z}\)はバレルの方向に沿う速度、単位ベクトルで、
\(v_{x,y}, \mathbf{e}_{x,y}\)はバレルの方向に垂直な面への速度、単位ベクトルです。
すなわち、壁面に垂直な方向に対する速度ベクトルの大きさ\(v_\perp\)は、\(v_\perp=\sqrt{v_x^2+v_y^2}\)と表されます。

ばらつきが無くまっすぐ飛ぶのであれば\(v_{\perp}=0\)であり、そうでなければ\(v_{\perp}\ne 0\)です。

BB弾のばらつきが生じる原因は、射出方向に垂直な方向(横方向)に有限の速度が生じている、と仮定します。
この横方向の速度が生じる原因の一つは、ピストンでBB弾を空気で押す際に圧力が一定ではないとか、回転を掛けるためのゴムで生じる、などいろいろ考えられます。
ここでは、パッキンを通過して、もうこれ以上横揺れを増やすような原因が生じないのだ、と仮定します。壁の反射によって変化はあるものの、速度は減衰する一方であるとします。

それでは、定式化をしていきましょう。

定式化


横方向の速度はそれほど大きくないだろう、と予想するので空気抵抗は考えません。この条件のもと考えていきます。

バレルの直径\(d_s\)とBB弾の直径\(d_B\)の差があることによって、バレルに垂直な方向にBB弾が自由に進める距離\(l\)は

と書けます。\(n\)回目の衝突から\(n+1\)回目の衝突までにかかる時間\(t_n\)は、その間のBB弾の垂直方向の速度\(v_n\)に依存して、

と書けます。よって、\(N\)回衝突するのにかかる時間\(t\)はそれぞれの衝突までに掛かる時間を足し合わせればよいので、

です。バレルの内壁との衝突が起こることによってBB弾の速度の変化するとします。するとBB弾とバレルとの反発係数\(r\)を用いれば、

と表現されます。初速度を\(v_0\)と書いてこれを代入すれば、

と書くことが出来ます。ただし、\(r\ne 1\)です。\(r=1\)の場合は\(\displaystyle
t=\frac{l}{v_0}(N+1)
\)

です。\(r\ne 1\)の場合に\(N\)について変形すれば、

と書くことが出来ます。
初速\(v_0\)、反発係数\(r\), 銃口に到達するまでに掛かる時間\(t\)が分かれば、銃口から出た時のバレルに垂直な方向の速度\(v_\perp\)は式(5b)より、

と書けます。具体的に妥当な値を入れて射出時の、進行方向に垂直な方向の速度を計算してみましょう。

具体的な衝突回数の見積もり


60cmのバレル長を持ち、0.20gで0.9J程度の球が射出される場合、セットされた位置から射出までにかかる時間は約\(t=0.015\mathrm{[s]}\)と分かっていますのでこれを利用します(バレル内部の計算より)。
バレルBB弾の直径差は

とします。\(r\)はどうにかして求めることにして、\(v_0\)はとりあえず変数としましょう。

反発係数の見積もり


\(r\)を見積もります。
反発係数の見積もりは、実験して大雑把な値を見積もります。
\(r\)を見積もるために、家にある固い材質のものとBB弾とを衝突させて、高さを計測しました。以下の実測結果を得ました。

  • BB弾-フローリング 30cmから落として15cm上がる
  • BB弾-アクリル板 30cmから落として10cm上がる
  • BB弾-アルミ 10cmから落として6cmまで上がる

高さ\(h_0\)から静かに落として、反発した後に極大値をとるときの高さ\(h_1\)が分かっているとき、反発係数\(r\)は

と求められることが分かっているので、反発係数は

  • BB弾-フローリング  \(r\approx 0.71\)
  • BB弾-アクリル板  \(r\approx 0.57\)
  • BB弾-アルミ  \(r\approx 0.77\)

となります。バレル内部はどちらかといえば金属に近いと思いますので、\(r\approx 0.75\)と仮定して計算を進めていきます。

横軸に進行方向に垂直な方向の初速度…つまり、ホップを掛けるためのゴムなどで、進行方向ではない方向の速度のことを意味します…、縦軸に射出時の垂直な方向の速度をプロットしました。横方向の速度が仮に50m/sになっていても、10m/sになっていようともあまり変わらないことが分かります。なので、10m/sと仮定しましょう。
ばらつきの上限を与えるにはよい指標です(※1)。

仮に\(r=0.75, v_0=10\mathrm{[m/s]}\)とすると、\(N\approx 20.6\)と計算されます。つまり、20.6回バレルに衝突してから飛び出していくわけです。実際には衝突回数は整数しかありえないので、小数点以下を切り捨てて20回衝突が起こって飛び出していきます。
ただし計算を行う上では衝突回数を切り捨てると不連続性が発生しますので、小数点の衝突回数を認めることにします。

この場合、銃口から飛び出す際の、進行方向に垂直な方向の速度\(v_\perp\)は

を得ます。この垂直方向の速度は上下左右に振れる可能性がありますが、最も触れる場合は横方向でしょう。

30, 50m先の広がり具合を考えます。
着弾までの時間\(t_{30m}, t_{50m}\)はそれぞれ\(0.5, 2 [s]\)分かっているので(弾道計算(BB弾)の結果)、着弾時の直径\(d_{30m}, d_{50m}\)は

と求められます。ここで垂直方向の速度が非常に遅いので、空気抵抗は無視して考えています。BB弾の重さは関係ありません。軽いものほど空気抵抗を受けて減衰するので、ぶれは小さくなります。

空気抵抗を考慮すると、これよりは小さくなるということです。

実測定との比較


さて、30mチャレンジというものがあります30mチャレンジ公式ランキング 2016年度
この記録によると、30m先で直径15cm程度の範囲に収まるようです。
すなわち、バレル-BB弾の直径差による集弾性の悪化よりも大きな影響を及ぼす要因がある、ということです。

恐らくは回転量が一定ではないとか、BB弾の重さにばらつきがあったり、銃身の振動があったりという要因のほうが大きいということでしょう。

逆に言えば、スタンダードな大きさのバレルとBB弾を用いる限り、30m先で3cm以内に収めることは不可能、ということです。

注釈

※1
\(v_0\to \infty\)で射出時の速度\(v_\perp\)は発散しますが対数の発散です。非常にゆっくり発散するため、\(v_0=10\)であろうが\(v_0=50\)であろうがほとんど変化しません。どこかでカットオフ(これ以上はとらない上限)となるような値を取れればよいかもしれません。
豆知識ですが、対数の発散をほとんど無視する目的としてカットオフを設けるやり方は、量子力学の繰り込み論が有名ですね。だからと言って、エアガンの計算で量子力学が現れる!などは言わないでください。全く関係ありません

波動関数の規格化とは?

非相対論的シュレーディンガー方程式の解を規格化するお話

Q氏とR博士の会話1


Q「波動関数の規格化は、なぜ行われるのでしょうか?」

R「異なる量子数に属する状態間を、分かりやすく比較したいからだ。」

Q「なぜ規格化をすると比較ができるのでしょうか?」

R「例えば、有限区間内で定義される2つの状態があるとき、片方の状態の波動関数の値が1、もう片方が0.01という、どちらも単なる定数であることが分かったとしよう。」
R「その場合、規格化を行わないと、”値1を持つ状態のほうが多いから、もう片方は無視できる”、と直感的にしてしまうかもしれない。」
R「その点、規格化をすればどちらも同じ値にできるから、優劣がなく比較をすることが直感的にできて、都合がよい。」

Q「なるほど。わかりやすさ、ですか。」
Q「しかし規格化するといっても、何かを等しくして比較するって意味ですよね。何を等しくして比較するのですか?」

R「個数で規格化するのだ。」
R「1つの電子について解いているとき、波動関数が示す電子数を”1”であるようにするのだ。」

Q「個数で規格化するのですか。では、2個の電子を表す1つの波動関数があったらどうです?規格化は”1”ですか、”2”ですか?」

R「どちらも正解だ。1でもいいし、2でもいい。」
R「2個の電子が相関して離れない現象ならば、それは”1つのペア”を”1”にするのが良いだろう。だから、その意味ならば1が良い。」
R「しかし、電子”1つ”が重要ならば、電子1つの波動関数を”1”にするべきだろう。それが2つあるので合計数は2だ。」
R「定義が書いてあれば、それでよい。」

Q「見たい現象によって分けるのですか。規格化と言いながら、いかなる問題に対する規格は無いのですね。」

Q氏とR博士の会話2


Q「波動関数の規格化は個数で行われるんですよね。」

R「そうだ。」

Q「波動関数の”個数”は全存在確率密度を1にするようにすることで実現できます。」

R「そうだ。」

Q「つまり、波動関数の絶対値の二乗の、全空間に渡る積分が収束しなければならない。」

R「その通り。」

Q「ならば、自由粒子のような連続状態の規格化は不可能なのですか?」
Q「無限遠まで振動していますし、絶対値の2乗は定数です。」
Q「全位置空間に渡る積分は無限になり、規格化定数が零になります。」

R「可能だ。だが、君の疑問はもっともであり、計算自体は正しい。」
R「しかし、全存在確率密度による規格化には隠れた前提がある。」
R「それは”束縛状態であるならば、全存在確率密度で規格化すると都合がよい”ということだ。」
R「連続状態はその前提に入らない。なので全存在確率密度による規格化が計算不能でも、何も問題はない。」

Q「では連続状態の規格化とは、なんなのでしょう?」

R「計算が楽だとか、都合がよいものがあれば、何で規格化しても良い。」
R「束縛状態において、全存在確率密度はたまたま採用されたのだ。」
R「本来、規格化は数学的な手順であり、”分かりやすい表現”の定数倍という表現をしたいがために生まれた。」
R「何で規格化するのか?が変わったところで、定数倍の違いしかないから、物理は変わらない。」
R「自由粒子のような連続状態の規格化は、通常デルタ関数で行われる。」
R「しかし、例えば”指数関数の係数を1にするように決めた”と主張して、物理を作り上げても何も問題はない。」
R「この例は任意性があるので、褒められない規格化だがね。」

Q「規格化が連続状態と束縛状態で違ってもよい、ということですか。」
Q「しかし、それでは連続状態と束縛状態で規格化した関数が、その境界で不連続になってしまうかもしれませんが、問題ないのですか。」

R「問題ない。連続状態と束縛状態を別々に規格化すると約束するならば、不連続でも問題ない。」
R「一方で、束縛状態でも連続状態でも統一的な規格化の方法を採用すれば、不連続性は起こらず、すっきりする。」
R「そのような規格化方法として、例えば波動関数を単なる2乗で規格化する方法がある。」
R「この場合は波動関数を複素平面に解析接続しなければならなくなるが。」