量子テレポーテーションのざっくりとした説明

量子テレポーテーションとは、量子状態を異なる場所に移動させる方法です。

良くある間違いとして、
・光速を超えて情報通信が出来る(EPRパラドックス)
・物体そのものが移動する(SFのテレポーテーション、ど〇でもドア等)
・物体のコピーが生成される
が挙げられます。上の3点は正しくありません。

本稿の内容が間違えていたら申し訳ありません。

量子テレポーテーションとは


量子テレポーテーションとは、量子もつれを利用して「地点Aの量子状態Xを地点Bに移すこと」です。
量子力学の基本として、未知である任意の量子状態に対し、それと全く同じ複製を作る事は不可能です(量子複製不可能定理 -wikipedia)。
量子状態の複製は出来ませんが、量子状態の移動は行うことが出来ます。これが量子テレポーテーションなのです。
重要なのは、移動するのは物質ではなく、量子状態であることが重要です。

量子テレポーテーションのアイデア


・送りたい側 
 地点Cから送られてきたもつれた量子1’と送りたい量子状態Sを相互作用させる→弱く観測
・受け取り側 
 地点Cから送られてきたもつれた量子2’に対し、弱く観測した結果に基づいた演算をする。

  1. 地点Cで量子1, 2をもつれ(相互作用)させる
    → 量子1,2は区別できないので、量子1′,2’と書くことにする。
  2. 量子1’を地点A、量子2’を地点Bに届ける。
  3. 地点Aで送りたい量子状態Sと量子1’を相互作用させて”弱く”観測する。
    →送りたい量子状態Sはこの時点で量子1’と区別が出来なくなる。
  4. 地点Aの観測結果を古典的な光の速さで地点Bに伝える。
  5. 地点Bの量子2’に、地点Aの観測結果に依存した操作をする。
  6. 地点Bの量子2’は量子状態Sになっている。

という手順です。

地点Aの観測結果を地点Bに送る、という操作が入るので、意味のある情報(量子状態S)を光速を超えて通信する、ということは出来ないわけです。

また、”弱く”観測するの部分では、量子状態を決めることはしません。しっかり観測してしまうと確定的な情報を得てしまい、ダメだそうです。

物体の移動をともなわないにもかかわらず、”テレポーテーション”と呼ばれる由来は、量子が区別できないことに由来します。
区別することができないので、地点Aの量子状態Sと、全てが終わった後の地点Bに存在する量子状態Sは同じものとして捉えられ、あたかもテレポートしたように見える訳です。

同種の粒子が2つあり、それらが同じ量子状態であるのならば、どちらがオリジナルなのか区別する方法はありません。

2017年には中国のグループが、1000km程度の地上-衛星間の量子テレポーテーションに成功した、との報告があります。
Ji-Gang Ren et al, “Ground-to-satellite quantum teleportation”, arXiv:1707.00934 [quant-ph], (2017) https://arxiv.org/abs/1707.00934

参考文献


量子テレポーテーション https://www.m-nomura.com/st/qteleport.html

ーーー観測するって何なんでしょうね。


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